お金を使っているとどんどんなくなっていって不安になる。どうすればお金に困らずに生活できるのか。そんなことを考えることってありますよね。僕は現在、本を100冊ほど読破しました。最近は、自己啓発本に加えてお金に関する本を読み始めています。そんな私が今回はお金に関する本を紹介します。
では質問です。お金の価値ってなんだと思いますか?1000円?10000円?それ以上?
お金の価値って言われると答え方が難しいですよね。いつも使っているはずなのに、その本質については知らない。でもそれは当然で、お金を使うことはあっても、お金の価値やお金がもたらす効果について考える機会なんて日常生活の中でほとんどないからです。お金に縛られることなく、お金と上手に付き合っていくことで人生にゆとりが生まれて、余裕のある生き方ができます。
この記事では著書「きみのお金は誰のため ボスが教えてくれた『お金の謎』と『社会の仕組み』 / 田中学(東洋経済)」に書かれているお金の本質について解説していきます。この本を読めば、知っているようで知らなかったお金の価値について深く理解することができます。お金はすごい。でもお金に負けてはいけない。
お金自体には価値がない
「お金はただの紙切れ」お金自体に価値があるわけではない。では、お金の価値とは。お金自体には価値がなくただの紙切れなのは間違いありません。地租改正(お米の代わりに貨幣を税として扱う)によって税金制度が導入されたことで貨幣に価値が付与されました。税金を納めないと土地を奪われ、逮捕され、生きていくことが難しくなります。国民ひとり一人にとって、税金という制度があって初めて、貨幣に価値が生まれたのです。
こう聞くと、政府が搾取しているようにも感じますが、実はそうではありません。税金という制度が導入されることによって、周りの人との協力や取引が必要になってきます。人に価値を提供することでお金を稼ぐことができる。反対にお金を支払うことで、他人が提供するサービスや商品を受け取ることができる。税金の導入によって取引が容易にできるようになりました。
お金という貨幣を価値の提供によって交換し合う。価値を提供し合うことで自然と助け合いの状況が生まれてくる。それこそが税金によってもたらされた恩恵なのです。
◇仮に大阪と北海道で使用する貨幣がちがったとします。
大阪→円
北海道→ドル
だったとします。大阪は自動車の生産を得意としていて、北海道は畜産業が得意な国です。それぞれの技術を必要としていたら、自然と貿易という形でものとお金のやり取りをします。しかしながら、大阪の「円」と北海道の「ドル」の価値は済んでいる場所によって当然ちがいます。
そうすると、取引をするときにどうしてもそれぞれの価値を照らし合わせることから始めなくてはいけません。貨幣がちがうと為替によって両替時に価格が変動することがあるため、リスクも発生しやすくなります。
この二つの国が同じ貨幣を使っていたとすると、どちらの貨幣の価値も同じですから、取引をするときの価値を統一することができるのです。さらに、価値を統一することによって、お互いが価値を提供しやすくなり、交流も盛んになるというわけです。
お金自体に価値があるのではなく、提供するサービスや商品の交換にお金が使われているということです。お金は個人にとっては価値がある(と認識できる)けど、国全体としては価値がないのです。お金を発行することで国がその恩恵を受けることはできません。その恩恵を受けることができるのはあくまでも国民ひとり一人なのです。
お金で空腹を満たすことはできない
お腹が減っていたとして、ドーナツと1万円どちらが空腹を満たしてくれるのでしょうか。答えは簡単、ドーナツです。お金はそれを支払ってドーナツを作ってくれる人がいる、材料や道具を提供してくれる人がいるからこそ価値がありお腹を満たせるのです。つまり、お金を支払って解決できる環境でなければ、お金には価値がありません。
お金を持っている人が偉いのでは決してない。お客様は神様だという言葉も使われることがあるが、そう思っている人ほどお金の本質をわかっていないのである。しかしながら、学校に通っていて当然と思っている人も同様。お金を払うということは、自分ではできない、もしくはやりたくない人がその人に仕事をパスしているようなものなのです。
働く人がいるからこそ、社会は豊かになっていくのです。
お金で解決できることはない
お金を増刷すれば解決するという考えもあるが、いくら貨幣を増刷しても、売るものや働く人がいなければお金で解決しません。お金を払うと働いてくれる人がいるからこそ、その問題が解決するのを忘れてはいけないのです。
ものが値上がりしている時代。いくらお金を増やして配っても、農作物の量が足りていないから欲しがっている人に迅速に行き渡るわけではない。お米の値上がりも同じ原理です。お金を払って購入できる段階であればまだマシな方で、お米の生産が消費に間に合っていないのであれば、いくらお金を持っていてもお米不足は解決しませんよね。
本質が理解できている人はお金を増やすことではなく、働く人を大事にしたり、設備の修繕や改善をすることに目を向けている。生産性を上げることにお金や時間を投資した方が、社会が豊かになるのは間違いない。
まとめ
- お金自体には価値がない
- お金で空腹を満たすことはできない
- お金で解決できることはない
世間では給付金やお金を配れば生活が豊かになると話しているテレビをよく見かける。しかし、お金を配って解決するのは変えるものが足りているときだけ。ということは、根本の原因として考えられるのは、ものやサービスを提供する人がどんどん減ってきていること。
お金も大事。働いている人も大事。どちらか片方だけが大事なのではなく、働いてくれる人がいるからこそ、お金というものの価値を最大限に使うことができるのだと忘れてはいけないのです。
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