小学校受験はいくらかかる?費用の目安と成功のための準備法

家庭学

1. 小学校受験とは?親が知っておきたい基礎知識

・国立・私立小学校の違い

国立小学校は国立大学の附属校であり、国(政府)が運営しています。一方、私立小学校は民間団体や学校法人が設置・運営しています。

大きな違いは、国が運営してるか、民間の法人が運営してるかどうかです。

・入学までの流れ

項目 国立小学校 私立小学校
準備開始 4~5歳の間が多く、年中から年長に進級する時期に開始 年中の4~8月で志望校を決定し、9月頃から対策を開始するのが一般的
募集要項 地域によって受験資格を得られない可能性あり。引越しの誓約書が必要な場合も 学校ごとに異なるため募集要項を取り寄せて確認が重要
学校説明会 8~10月頃に開催。学校によっては動画説明会あり 8月前後が多い
出願前抽選 応募者多数の場合に実施。落選すると受験不可 抽選はあまりないが、受験者多数の場合は実施の可能性あり
本出願 9月下旬~10月 7月上旬~中旬(学校により異なる)
試験日程 12月ごろ 11~12月ごろ
入学金 無料 約25~30万円
授業料 無料 約50~90万円
学費 初年度10~30万円、次年度7~15万円(学校により差あり) 年間約7万~16万円(設備や教育内容によって差あり)

試験当日の日程に大きな差はないものの、願書を提出する期間が私立の方が早いので、希望する学校のホームページなどをマメにチェックする必要があります。

さらに学費に関しても私立は学校の設備や授業行事の内容によって費用の幅が大きいので、最新情報を必ず確認しておく必要があります。

年間の学費の平均が、私立小学校は公立小学校に比べて約15倍にのぼるといわれています。

子どもたちが6年間通う学校になりますので、しっかりとした下調べが大事になりそうですね。

国立小学校のホームページ↓

https://www.zenfuren.org/zenfuren/zenfuren-198/

・どんな力が求められるのか(学力・生活習慣・協調性)

国立小学校の試験内容

  • ペーパーテスト
  • 行動観察
  • 制作課題
  • 運動テスト
  • 面接、口頭試問

です。

それぞれ、何を問われているのか解説します。

ペーパーテスト

  • 数(数の増減や比較)
  • 図形(回転や重ね図形)
  • 言語、常識(季節や生活基礎)
  • 記憶力(物語、図形記憶)

などのような幅広い思考力、理解力が問われます。

単なる知識だけではなく、論理的思考力や推理力も必要になってきます。

行動観察

子どもたちが集団の中で課題や自由遊びに取り組み、どのように過ごすかを評価します。

集団の中での協調性、コミュニケーション力、リーダーシップなど、ペーパーテストでは測ることのできない力を見ます。

社会性や環境への適応力が評価されます。

制作課題

図工のような活動です。

紙を折ったりちぎったり、はさみやのりを使った細かい手作業や絵画制作をします。

手先の器用さと指示に対する理解力が評価されます。

運動テスト

バランス感覚体力、指示をされて、指示通りに体を動かすことができるかが問われます。

クマ歩きなど、特定の動作が課題となることが多いです。

面接、口頭試問

子どもの発語力や聞く力受け答えの正確さなどが問われます。

もちろん、面接なので、礼儀正しさや姿勢なども重視されます。

親子面接や保護者面接もあり、家庭での教育方針や親の子どもへの協力の姿勢なども評価されます

国立小学校の試験では、学力だけではなく、コミュニケーション力、社会性、手先の器用さ、体力など多方面の能力が求められます。

学校によって重視される力試験内容に多少の差はありますが、総合的な子どもの発達段階を評価する多様な試験が行われます。

 

私立小学校の試験内容

  • ペーパーテスト
  • 口頭試問
  • 運動試験
  • 行動観察
  • 手先の器用さ
  • 面接

 

です。それぞれに求められる力について同じく解説します。

ペーパーテスト

  • 常識問題(季節行事や生活のマナーなど)
  • 数量問題(数の比較、計算)
  • 図形問題(回転、重ね図形の推理)
  • 言語問題(語彙やしりとり)
  • 記憶力(お話、絵の内容の記憶)

などです。

内容としては、小学校の低学年レベルの内容をある程度理解して問題を解くことができる必要があります。

 口頭試問

カードを使った話作りや質問への対話形式での応答力、言語表現力が評価されます。

運動試験

基本的運動能力(跳ぶ、走る、投げる、マット運動など)と先生の指示に従う能力。クマ歩きなど特定動作の正確さも問われます。

行動観察

グループ活動やゲームを通じて協調性やリーダーシップ、コミュニケーション能力、社会性がチェックされます。

巧緻性試験

手先の器用さ(紙をちぎる、ひもを通す、絵画制作など)、指示理解力生活習慣(服のたたみ方など)も重要視されます。

面接

親子面接が多く、子どもの性格や発語力、家庭の教育方針についても問われます。

私立小学校では、

学力(思考力・記憶力)、社会性、体力、巧緻性、コミュニケーション能力、指示理解力など多様でバランスのとれた能力が求められます。

2. 小学校受験はいつから準備すべき?理想のスケジュール

年少・年中から始める場合の流れ

年少や年中など、早めから準備を始める場合は、対策の期間も長くとれますので、ゆったりと進めていきましょう。

年少から始める場合は、すぐに学力の方に注力するのではなく、普段の生活習慣を見直したり、ご飯の食べ方や食事マナーについて教えたりすることも必要です。

年齢が上がってからでは、急に身につきませんし。

小さい頃から、習慣として身につけておけば、子どもの力にもなりますし、試験の対策にもなるという一石二鳥です。

ただし、試験のことを意識しすぎて、子どもに負担がかからないようにだけ注意してくださいね。

年中から始める場合も、主に生活に根ざした力をつけていくのがいいと思います。

言語も少しずつ獲得してくる時期になるので、おでかけをしてたくさんの経験を積ませたり、体験教室などに出向いて、いろんな体験をさせてあげたりすると、思考が広がり、子どもの力にもなりますよ。

年長から始める場合の注意点

試験の日程が決まっているので、それに合わせて学力や生活力を身につけていきます。

年長から始めると、なにより試験までの時間が短い…

かといって詰め込みすぎると子どもに大きな負担がかかるので、焦りは禁物です💦

この時期からの対策としては、無理にあれこれと詰め込むのではなく、あくまでも今までの経験や力の延長で力をつけていくことを目指しましょう。

いわゆる、苦手の克服ではなくて、得意を伸ばしていくといった具合です。

子どもがどう思っているかも重要なので、「試験イヤ!」ってなる最悪だけは回避しましょう。

準備を早めに始めるメリット

早く準備を始めることで、なにより時間がたっぷりあるのがメリットです。

生活の基礎をもう一度見なおす。

体験教室お出かけで経験を増やす。

試験内容を下調べして、今できる課題をちょっとさせてみる。

など、時間に余裕をもてると子どもも親も負担が少なくて済みます

時間がないと、「あれもこれも対策しなきゃ!でも幼稚園や保育園に行く時間もあるし…。」

と、時間に追われる羽目になります。

確かに受験をして受かることも大事なのですが、何よりも子どもが熱意をもって取り組めるようにフォローしてあげるのが親としての役目なのだと思います。

3.小学校受験にかかる費用の目安と内訳

国立小学校 私立小学校
受験料 約1000〜3300円 約2万〜3万円
受験準備 約20万〜30万円程度(塾や教材費) 約100万〜200万円程度(塾や教材費、習い事など多岐にわたる)
入学金 無料 約30万円程度
年間学費 無料(授業料)+諸経費年間約10万〜30万円程度 年間約120万円程度(学費、諸費用含む)
その他 授業料は無料だが、諸経費や寄付金、後援会費用はかかる。 学費以外に制服代、遠足費、塾代などもかかることが多い。

まとめると、国立の小学校は私立に比べて費用は抑えめです。

しかしながら、塾や教材には数十万かかるケースもありますので、それらも含めてご検討ください。

4.小学校受験で必要な勉強と家庭学習のポイント

ペーパー試験の対策(言語・数・図形・常識)

塾の勉強のように黙々と机に向かって学ぶのではなく、遊びを通して学べるようにしてあげると効果的です。

言語の部分では、しりとりや言葉遊びなど、生活の中で遊びながら習得できると楽しく取り組むことができます

数や図形に関しても同様に、お出かけしたときに身の回りにあるものを数える積み木で図形に触れる電車やバスなどの公共交通機関を利用してそこでの振る舞いを見て学ぶ、など、生活に根ざした学びが理想的です。

行動観察や運動テストの対策

運動教室や体操教室に参加するのも一つの手です。

それが難しい場合には、公園で走り回って遊んだり大きな遊具に登って移動したり、自然と遊ぶ中で体力や運動機能は向上していきます。

公園などで、お友だちを作ると家族以外の人とのコミュニケーション力を身につけることができます。

これに関してはこちらが操作できるものではないので、子どもに任せてしまいましょう。

面接・志望理由の準備

受験する小学校の過去問や教育方針などをホームページでよく確認して、子どもともそんな話ができると理想的です。

試験の間近になって、話をしても子どもの頭には残りにくいので、早めに話をしましょう。

志望校を決めた時点で、どんな学校なのかを子どもとも共有しておくと、子どものモチベーションにも繋がります。

5. 親が今からできる準備7つのポイント

① 資料請求(募集要項・学校案内を集めて比較)

まずは、下調べ。

これがないと始まりません。

学費や立地、アクセスなども調べておくことで、費用や通学のこともイメージすることができます。

② 学校見学・体験入学で雰囲気を知る

百聞は一見にしかず

資料では説明会の日程や試験の内容を確認し、実際の学校の雰囲気は、見学に行くとより鮮明にイメージできるようになります。

③ 試験内容・出題傾向を調べる

試験の内容や出題傾向は、ネットで検索をすればある程度のことはわかると思います。

本屋さんなどでも試験対策の本やネットでも受験関連の本を購入すことができますので、調べてみてください。

④ 過去問や模擬テストで実力チェック

まずは、子どもに問題を解かせてみてどれくらい実力があるのか試してみましょう。

その結果に一喜一憂する必要はありませんので、ちょっとした力試しだと思ってやってみましょう。

そこから何をしていけばいいかが見えてくるはず。

⑤ 得意・苦手を整理して対策計画を立てる

先ほどの過去問で実力をみたところで、苦手な分野や得意な分野が見えてきます。

あとはそこを受験日までに対策をして臨めるようにしましょう。

⑥ 勉強しやすい家庭環境を整える

勉強するには環境も大事です。

勉強をしている周りに誘惑するものがあれば、学習にも影響してきます。

学習中は漫画やゲーム、スマホなど、子どもの視界に入らないように工夫しましょう。

リビングだけに置くとか、反対にリビングにはそういったものを置かずに勉強するのも効果的と言われています。

⑦ 生活習慣・マナーを整える

生活習慣を整えることは、学力にも影響を与えます。

早寝早起き学習のサイクルを習慣化することは、子どものためにも家庭のためにもなります。

それに加えて、最低限でかまわないので、食事のマナーや外出先での過ごし方を少しずつ教えていくといいかもしれません。

6.小学校受験準備で親が気をつけるべきこと

・子どもへのプレッシャーをかけすぎない

親としての、希望する学校は行ってほしい気持ちは重々わかりますが、子どもが負担に感じてしまっては、入学してからもその気持ちを引きずってしまいます。

子どもに期待を寄せることは大事ですが、過度なものにならないように気をつけてください。

・習い事・塾選びの注意点

国立小学校の受験は「ペーパーテスト・行動観察・制作・運動・面接」など多様な内容が出題されるため、総合的なプログラムや、抽選情報まで含めたノウハウを持つ塾が理想的です

関西圏では「リトルキャンパス」や「キッズパル」など、滋賀・京都附属小に特化した情報量が多い塾が心強いです。

首都圏型の大手塾はオンライン対応も充実し、遠方在住でも利用可能なことがあります。

 

私立小学校は学校ごとに出題傾向や重視される力が異なるため、「志望校別対策コース」や学校情報に強い塾が有利です。

首都圏・関西圏の大手は合格実績・ノウハウ・模試の質が高く、地方でもオンライン対応で活用できます。

体験授業で子どもやご家庭に合うか事前確認が大切です。

7. まとめ|小学校受験は親の計画力と子どもの日常がカギ

・今日からできる小さな一歩

まずは、子どもとも相談しながら、学校のホームページを見て、資料請求をしてみてみましょう。

見学や説明会に出向くのも、紙の資料で見るよりも具体的に学校のイメージが子どもと共有できますよ。

次年度入学の児童に向けて参観などを実施している学校もあるので、それらを体験するのもいいかもしれませんね。

・最後は家庭の雰囲気が合否を左右する

受験のときには、子どものモチベーションや気持ちが最後は後押ししてくれます。

落ち着いて試験に臨むことができれば、自分の力を発揮することもできるでしょう。

最後まで子どもがいい雰囲気で試験に臨むことができるように、家族全体でサポートしていきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました