子どものゲーム依存症が心配…。やめさせるより、付き合い方を考える

教育

「またゲーム!?」毎日くり返す親子バトルに、もう疲れた…

 

「宿題は?」「ごはんよ!」「寝る時間でしょ!」

──どれだけ声をかけても、子どもの目は画面から離れない。

気づけば、今日もまた怒鳴ってしまった。

「どうしてこんなにゲームばかり…?」

そんなふうに、日々“ゲームとの闘い”に疲れている親御さんへ。

今回は、「やめさせる」から一歩踏み出して、“付き合い方”を見直すための考え方と実践法をお届けします。

 


 

 

ゲーム依存症とは?ただの「遊びすぎ」とはちがう

 

子どもがゲームに夢中になるのは、自然なことです。

でも、それが「生活に支障をきたすレベル」になると、それは**“依存”**かもしれません。

ゲーム依存症とは

自分の意思でゲームをコントロールできず、家庭・学校・人間関係に悪影響が出る状態

WHO(世界保健機関)でも、2020年に「ゲーム障害」を正式に病気として認定しています。

【チェックしてみましょう】

 

  • ✔ 宿題や食事よりゲームを優先する
  • ✔ 約束の時間を守れず、やめられない
  • ✔ 取り上げると暴言や癇癪を起こす
  • ✔ ゲーム以外への関心が極端に少ない

 

これらが複数あてはまる場合は、本格的な介入が必要になることも。

だからこそ、「早めの対処」が重要です。

 


 

 

「好き」と「依存」はどう違うの?

 

ゲームを毎日する=依存、ではありません。

子どもは“熱中する力”が強い生き物。夢中になっているからこそ、ぐんぐん吸収するのです。

ただし、「コントロールできるかどうか」がカギ。

【好き】

  • 決めた時間でやめられる
  • 他の遊びにも興味あり
  • 親との約束を守れる

【依存】

  • やめると不機嫌・イライラ
  • ゲーム以外に興味なし
  • 何度言っても守らない

「好き」は伸ばせば力になりますが、「依存」は放っておくと心身をむしばみます。

違いを見極めて、早めの対処をしていきましょう。

 


 

 

ゲーム依存を防ぐ3つの“環境づくり”

 

 

①「禁止」ではなく「ルール共有」

 

「1日30分」などのルールは、親が勝手に決めるのではなく“子どもと一緒に”作ることが重要です。

ルール例:

 

  • 宿題を終えてからゲーム
  • 1回○分、1日最大○分まで
  • 夜○時以降は画面OFF

 

ルールを紙に書いて可視化したり、子どもが守れたら一緒に振り返ったりすることで、自己管理力を育てるきっかけにもなります。

 


 

 

② ゲーム以外の“夢中”を用意する

 

「ゲームばかりしている子=ヒマな子」です。

 

  • 外遊びやスポーツ
  • 工作・自由研究
  • 家族とのボードゲーム
  • 友達とのリアルな関わり

 

「面白いことが他にもある!」と気づかせることが、自然とゲーム依存を遠ざける最も効果的な方法です。

 


 

 

③ 家庭の生活リズムを整える

 

睡眠不足や運動不足は、ゲーム依存の引き金になります。

 

  • 朝決まった時間に起きる
  • 食事は家族で食べる
  • 夜9時以降はデジタル機器オフ
  • 毎日15分でも外に出る

 

これらをゲーム以前の「生活習慣の基礎」として整えることが、予防になります。

 


 

 

「取り上げる」より、信頼関係を築く

 

つい怒って取り上げたくなる気持ち、よくわかります。

でも実際は、強制的に取り上げると、隠れてプレイしたり、親子関係が悪化することも。

本当に大事なのは、「やっていいよ」と言える大人になること。

 

  • 「○分やったら休憩しようね」
  • 「今日はもうおしまいだね」
  • 「一緒に次のステージまで見ていい?」

 

こうした声かけの積み重ねが、“管理”ではなく“信頼”をつくります。

 


 

 

「付き合い方を教える」ことが、最大の教育

 

ゲームを悪者にしても、根本的な解決にはなりません。

子どもたちは、これからますますデジタルと共に生きていく世代です。

必要なのは、「自分で選び、使いこなす力」。

私たち親ができることは、「やめさせる」のではなく、

どうすれば上手に付き合っていけるかを一緒に考えることです。

 


 

 

まとめ:ゲームと“戦う”のではなく、“向き合う”

 

 

  • ゲーム依存は病気としても認定されている
  • 「好き」と「依存」の違いを見極める
  • ルールづくり・生活習慣・信頼関係で予防できる
  • やめさせるよりも、使いこなす力を育てよう

 

ゲームは、悪でも善でもありません。

どう扱うかを子どもに教える──それが、これからの親の役割なのかもしれません。

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